合格体験談05

丹治 秀明氏(株式会社日立ソリューションズ東日本)

概略

合格者:丹治秀明
所属:株式会社日立ソリューションズ東日本
受験資格:CPIM (Certified in Production and Inventory Management)、CSCP (Certified Supply Chain Professional)
学習期間
・CPIM:2年6ヶ月 (2001年1月開始、2003年6月合格)
・CSCP:6ヶ月 (2013年1月開始、2013年6月合格)
学習時間(集中して取り組んだといえる時間):
・CPIM:約280時間
・CSCP:約40時間
英語使用状況:海外パートナー・顧客連絡(日次頻度)、英語資料作成・翻訳(週次頻度)、海外渡航時(月次頻度)に使用

受験の動機

報告者の所属する日立ソリューションズ東日本はサプライチェーンマネジメント(SCM)関連ソフトウェアを提供する。報告者は同SCM関連ソフトウェアのプログラミング、ローカライゼーションを経験した後、海外におけるプロモーション・提案、パートナー連携、及び関連サービス・支援に当たっている。
CPIM、CSCP取得の最大の動機は、業務都合上正しい用語での説明・プレゼン、資料作成・翻訳が求められることである。但し、短期的には次の背景も動機となった。
■CPIM:
① 上司に薦められた
② 取得を宣言した以上、引くに引けなくなった
■CSCP:
① 同僚・上司に勉強会参加を促され、Learning System利用環境も与えられた
② CSCP取得によって5年毎のCPIMの資格更新要件を満たせることが分かった

学習方法

■CPIM:
・先ずAPICS辞書、簡易問題集、EXAM CONTENT MANUAL(ECM)を購入。次いでECM上で紹介されているテキストを逐次購入。
・次に2001~2002年にかけて、辞書、問題集及びテキスト約10冊を用いた社内勉強会を、1科目当たり2~3サイクル開催。1科目当たり、準備時間・開催時間を含めて約40~60時間、5科目で計約250時間、学習に取り組んだ。
・更に、4科目目のECO、及び5科目目のSMRは、基礎知識・周辺知識の拡充の必要を感じた。そこで、在庫管理・生産管理・SCM・原価管理・物流・制約理論等の関連日本語基礎書籍、大野耐一氏の書籍に代表されるトヨタ生産管理システムやカイゼン関連書籍を約15冊読了。この追加学習に約30時間を費やした。
・CPIM専門家(講師)不在、日本語辞書無での勉強会を通じた学習では、疑問・質問を十分に解消できないケースが頻発。その度に、テキストの対象部分の読み込みや辞書上の関連用語の読み込みを繰り返した。こうした学習は非効率的ではあった。しかし、後にして感じるのは、周辺業務・手法の理解、背景・成り立ちの理解に非常に有効であった。

■CSCP:
・先ず、CSCP Learning Systemを用いた、社内勉強会に参加。事前準備無で毎回共同で問題演習と回答解説を読み込むスタイルで推進。約15回参加し、約15時間学習した。
・次いで、受験を控えた時期に、同様にCSCP Learning Systemを用い、個人で苦手と感じられた領域の問題演習と回答解説の読み込みに取り組み、約15時間追加学習した。
・更に、苦手領域については練習問題を入手し、補足学習約10時間に取り組んだ。

合格後に何が得られたか

■CPIM(2003年資格取得):
・資格取得による即効性のある目立った効果はなかった。しかし、日々の説明・資料作成・翻訳業務の品質向上には確実に貢献できるようになった。また、シックスシグマ、制約理論にも通じるトヨタの継続的カイゼンの歴史的背景、仕組み、取り組みを学習したことで、困難な仕事でも、日々改善に取り組む姿勢・ノウハウを学習することができた。業務知識・英語スキルの双方の面でも自信に繋げられた点も励みとなった。
・なお、これは後で徐々に気付いたことだが、CPIMというSCM基礎知識のお陰で、新聞や雑誌、顧客訪問等を通じて見聞きするSCM応用情報を積み上げる下地ができた。(実際、CPIM資格取得10年後に取り組んだCSCP資格取得は、CPIMに比べると非常にスムーズであった。)
■CSCP(2013年資格取得):
・CPIM同様、資格取得による即効性のある目立った効果はなかった。しかし、2014~2015年に公益財団法人日本生産性本部からBSCM及びTTTの社外講師の機会を頂戴し、その過程では、「教えることで学ぶ」ことの価値への気付きの機会、基礎知識の深い理解、そしてプレゼンスキルの向上に繋げることができた。
・例えば、2015年のフィリピン大手財閥系企業CIO向け英語プレゼン、2017年のマレーシア大手財閥系企業CEO向け英語プレゼンでは、所属企業製品・サービスの業務的・財務的メリットの訴求、質疑応答を通じ、高い評価を頂いた。また、2017年度は、所属企業の国内セミナーにおいても、5度のプレゼン機会を頂戴している。

さいごに

・CPIM、CSCPは、SCM関連業務の基礎となる業務・言語(言い回し)双方の知識体系を提供してくれる資格であり、関連業務に従事する方々には強くお勧めしたい資格である。実際、APICS関係者と情報交換すると、営業、生産管理、製造といった主要な部門のキーマン3名にCPIMを取得させただけで、在庫が20~30%削減できた、といった企業の事例がざらにあると伺う。
・ただ、ご注意頂きたいのは、CPIMもCSCPも、おそらく資格をギリギリパスしただけでは、上げられる効果は限定されることである。取得以降が本当の勝負で、継続的に学習し、知識・知見を深め、実業務で大きな成果を上げること、それによって自分自身の成長を実感ができること、そうした観点・姿勢がより重要である。実際、そうした取り組みを継続しなければ、5年毎の更新も容易ではない。
・多くの方に資格取得をきっかけにSCMの能力を高めて頂き、日本の製造業、流通業、物流等各種産業の生産性の高い、そして競争力の高いサプライチェーンの構築を実現頂きたい。所属企業の立場としても、認定講師の立場としても、微力ながら応援させて頂きたい。